天然黄体ホルモンの製造方法
天然黄体ホルモンは、メキシコ・ヤマノイモや大豆から抽出したジオスゲニン(C27H42O3, diosgenin)を変換して製造します。「天然」黄体ホルモンと呼ばれる理由はその分子構造が人体で分泌されるものと同じだからです。これを反映して、私が使用しているワイルドヤム クリーム
天然黄体ホルモン・クリーム
ドクター・リーの本には、Unicity(エンリッチ)のワイルドヤム・クリームを始め34社の天然黄体ホルモン・クリームがドクター・リーの指導する方法に適切な量の天然黄体ホルモンを含む製品として挙げられています。天然黄体ホルモン・クリームの成分はメーカーによって幾分違いがありますが、黄体ホルモン補充に使う場合は次の事柄が重要です。
プロゲステロン・クリームの質と効力
品質に問題のある効力を持たないプロゲステロン・クリーム製品があるので注意が必要です。プロゲステロン・クリームを使用した過去の実験の中にはプロゲステロンが吸収された形跡がまったくないものもあります。もちろん、その吸収と作用を証明している実験も沢山ありますから、プロゲステロンが皮膚から吸収されないなどと主張している人は、科学の科の字も理解できないか、別の下心があってのことでしょう。
※血液(血清)の検査で検出されるホルモンは肝臓を一度通って処理され、たんぱく質と結合して非活性になっている、つまり無駄になっているホルモンです。一方、皮膚から吸収された、あるいは体内で分泌されたホルモンが必要な場所に運ばれていって作用するには肝臓で処理されないことが望ましいわけで、血液検査は間接的な指標でしかありません。残念なことに、この点を忘れて議論している研究者や医者が後を絶ちません。
プロゲステロン・クリームに含まれているプロゲステロンは活性型のプロゲステロンです。これは非常に酸化されやすく、酸化されると効力がなくなります。その点を考慮して薬局では1ヶ月以上の分量を調合してくれません。保存状態が悪いと2週間で効力を失うという実験もあります。市販のクリームの質や保存状態はさまざまですが、酸化防止の工夫をした上質のクリームでも封を切って3ヶ月経つと、クリームに透明感が増し、酸化が進んでいることがわかります。水っぽく透明に見えるるクリームは、既に酸化が進んでいて効力を失っています。
プロゲステロンクリームに含まれているプロゲステロンの吸収率はクリームの質に依存します。適切な媒体に浮遊状態で溶け込んでいなければ効率よく吸収されません。ざらざらするものは粒子が溶けていなことを示し、良い吸収率は期待できません。
効果が現れるまでにかかる時間
血液に吸収されるまでの時間は早ければ30分、遅くとも2時間です。手のひらや胸などの表面に毛細血管が集中しているところからだと効率よく吸収されます。すぐに現れる効果もありますが、他のホルモン系が関係していたり、組織の劣化が関係していたり、栄養状態が関係していたりする症状もあるので、数ヶ月かからないとはっきり分からない効果もあります。個人差もあります。クリームを使った場合、体内を循環する量は4週ほど増え続けるという報告もあります。
疑似黄体ホルモン(合成プロジェスティン)は黄体ホルモン(プロジェステロン)ではない
避妊やホルモン補充に使用されている levonorgestrelやmedroxyprogesterone acetate (Provera) などのホルモン剤はすべて疑似黄体ホルモン(合成プロジェスティン)であり、人体で分泌される黄体ホルモン(プロジェステロン)とは異なった分子構造になっています。そのため、疑似黄体ホルモンは人体の中で黄体ホルモンの機能を一部模倣するだけで、体内の黄体ホルモン・レベルを上げることはできません。疑似黄体ホルモンを使用する避妊ピルや補充用のホルモン剤が、月経痛、流産、月経不順、子宮内膜症、その他の更年期前後のさまざまな障害に対して黄体ホルモン剤として処方されるのが一般的のようですが、疑似黄体ホルモンは数多くの副作用を持ち、胎児の奇形や発ガンなど危険な副作用も少なくありません。ホルモンの補充に疑似黄体ホルモンを使用する必要は全くありません。天然黄体ホルモンは誰でも簡単に買うことができます。
疑似黄体ホルモンも天然黄体ホルモンと同じ原料から似たような方法で製造されますが、分子構造が本物の黄体ホルモンとわずかに異なります(その他の「天然」および「疑似」ステロイド系ホルモンも同じ原料から製造されます。ただしプレマリンは妊娠中の馬の尿に含まれているエストロゲンその他の馬のホルモンが原料です)。製薬会社が副作用の多い疑似黄体ホルモンの研究と製造販売に専念する理由は、ドクター・リーによれば、自然に存在しない疑似ホルモンには特許が付くので、特許の付かない天然ホルモンよりお金になるから、ということです。さらに恐ろしいことは、それらの擬似ホルモンが天然のホルモンとは分子構造が異なり、作用も異なることを知らずに処方している医者も沢山いるという事実です。