平成7年11月4日土曜日
綿畑が続き、道路沿いに点在する民家や雑貨屋はいかにも貧しい農村地帯という感じ。途中で計画を変更して、北東方向にあるWinchesterへ向かうことにする。SFコンベンションをやっているホテルでもらった大ざっぱな地図だけが頼り。とにかく北東、北東と道を選んでいけば、Winchesterへ向かう大きな道に出るだろうということで、牧場や農場の中を走る田舎道をたどる。東へ行くと綿畑が減って牧場が増えてくる。と同時に道沿いの家も立派な家が増えてくる。子供のときに良く遊びに行った母の実家を思い出させるような小川の流れる農場があったりする。
Winchesterへ近づくとTims Fordダムとその堰止湖が近くにあることが分かり、そこを最終目的地にすることに決める。WinchesterからTims Ford Lakeへの途中に、南北戦争以前に立てられた邸宅を修復した、その名もThe Antebellum InnというBed & Breakfastがあり、Restaurantの看板が出ていたので、ランチに寄ってみる。ランチには少し遅かったのかHight Teaしか出していないと言う。
お菓子が主でサンドイッチの種類が少なく貧弱だったけど、他にましなレストランもなさそうだったので、一人7ドルのHigh Teaをランチ代わりにすることにした。飲み物も食べ物も味は悪くない。隣に座った年配の客が、イギリスではこれこれのHigh Teaの盛り付けをするというようなことをウエートレスに説明している。会話の内容からして地元で建設業を営む夫婦らしかった。
Tims Ford Lakeは湖と呼ぶには小さく、川のようにしか見えない。アメリカでは余り見ないカラスの群れが湖の上を舞っている。シカが1頭姿を見せ林の中へ消えていった。オフシーズンで湖畔の食堂は閉まっている。それでも釣りなのかボート用のトレーラを付けた車が4台ほど駐車している。家族連れのグループがボートで戻ってきて、ボートをトレーラに乗せ、水から引き上げて帰って行く。
湖畔に20棟ほどある山小屋風の宿泊施設も盛況で駐車場が満杯。しかしバレーボールに興じている男達のグループのほかに人影はあまり見ない。湖畔の施設を一通り見て帰途につく。
帰路は南西へ向かって走るので夕日が目にきつい。刷毛で塗りたくったような雲の合間に虹がかかっているのを見る。テープからラジオに切り替えるとイスラエルのラビン首相が暗殺されたというニュース。
ハンツビルの見慣れた町並みが見えてくるころにはニュースも終わり、土曜日のお馴染み、 A Prairie Home Companionの Garrison Keillorの声が聞こえてくる。見慣れた町並みの中で意識が日常性を取り戻すとともに、暗殺のニュースは意識から遠のいていった。
ホームページへ|日誌インデックスへ|お便りは eueda@hiwaay.net( 上田悦子)