1997年11月03日 月曜日 − 豆ご飯

  • 木々は色づき、朝夕がめっきり寒くなった。2つあるヒートポンプの1つが寿命で壊れて(あのオゾンの大敵フリオン・ガスがもれるようになった)、オプションを検討中なため家の半分は薪ストーブで暖房というはめになた。

    さて、豆ご飯というと赤飯。そして赤飯と日本は、私の頭の中では日の丸と日本ほど強く結びついていた。少なくともつい最近まで。でも豆ご飯は日本の専売特許ではない。アメリカにはBeans and Riceというのがある。メキシコなど中米発祥の郷土料理である。

    これに使う豆にはBlack beansとRed Beansの2種類がある。ブラック・ビーンというと黒豆を連想するけど、日本でお正月などに煮豆にする黒豆は黒大豆、ブラック・ソイビーンである。こちらでいうブラック・ビーンというのは小豆と似たような大きさと味のいわば黒小豆ともいうべきものである。Red Beansというと、かつて赤ダイヤと呼ばれた小豆を連想するかもしれないけど、これはもっと大きく、日本では大正金時とか赤インゲンとか呼ばれているものではないかと思う。

    実を言うと、豆の産地、十勝で育ったのに豆のことは大豆、小豆、黒豆ぐらいしか馴染みがない。母はあまり豆料理をしなかった。今思い出せるのは、お正月の黒豆と餅つきのときに練った小豆アンだけである。しかもアンは戦前お菓子屋をしていた父の担当だった。それで、つい最近アメリカ暮らし20年にして、生まれて初めて豆ご飯を炊いた。きっかけは市立の図書館からもらってきた古い「家庭画報」(古い雑誌は処分されるので時々日本語の雑誌をもらってくる)に載っていた赤飯特集。

    最初はもち米を使って作ってみた(もち米は電子レンジを使うと簡単に調理できることも知った)。豆はどこにでも売っているブラック・ビーンを使った。でももち米は少し重過ぎる感じがしたので、次にウルチ米を使ってみた。さらにRed Beansも使ってみた。これだと赤飯になる。ウルチ米の豆ご飯は自分では大いに気に入ったのだけれど、味が付いていないから家人は白いご飯同様大した反応を示さない。赤飯が日本ではお祝いの料理であると急に言われても、その有り難味が増すわけもなし、まぁ、しかたがない。

    それで、豆の袋に書いてあったBeans and Riceのレセピーを読むと、基本は赤飯とたいして違わない。ただし、味付けに玉ねぎ、トマト、ソーセージなどを炒めて入れる。家人にはこっちの方が人気があったけど、私は豆とお米だけの豆ご飯が気に入っている。

    ついでにBlack Beansでアンを作って、おはぎを作ってみた。これは家人にも人気があったから、これからもちょくちょく作ることになりそうだ。ブラック・ビーン・スープというのも良く料理の本などで見掛ける。これは汁粉に匹敵するもので、メキシコ風に鶏の出汁と玉ねぎ、クミン、クリーム、チーズなどで味を付ける。これもなかなか行ける。

  • ホームページへ


    )