ネットサーフ日誌:平成8年3月


1996年3月16日 土曜日
  • Rush Limbaugh Is a Big Fat Idiot and Other Obervationsという本を読んだ。これは Al Frankenというハーバード出のリベラル・シナリオ・ライターが書いた本で、ラジオやテレビで嘘八百言いたい放題の共和党陣営旗振り役、共和党が名誉議員にまで指名した Rush Limbaughを中心に共和党右派の重鎮を切り刻み、いわば日頃の借りを返そうという趣向のものである。

    Rush Limbaughは、1994年中間選挙での共和党の大勝利は彼の功績と言われるほど人気が出たトーク・ショー・ホストである。一方Al Frankenは Saturday Night Liveという風刺コメディー番組でシナリオ・ライター兼コメディアン/コンメンテイターとして有名になった人である。

    Rush Limbaughが馬鹿丸出しの嘘八百で民主党を笑いの種にしてこきおろすのを横目でにらみながら、リベラル陣営からはなぜそれに対抗できるだけのタレントが出ないのかと歯がゆく思ってきた人間は少なくない。その挑戦を受けて立ったのがAl Frankenというのは、彼の経歴から見て自然の成り行きといえばいえる。

    馬鹿丸出しの嘘八百はリベラル派のスタイルではないから、Rush Limbaughひいては共和党の嘘とまやかしを暴き、風刺コメディーの精神を維持するというのはなかなか大変な作業である。第一に事実関係を1つ1つ調べなくてはならない。そこで Nexis search を大いに利用したと書いてある。クリントン大統領についてはBill Clinton: Greatest President of the Twentieth Centuryという見出しで数ページさいているのもいい。

    この本はベストセラーになったというから、多くのアメリカ人にとって待望の本であったことは間違いない。


  • ホームページへ|日誌インデックスへ|お便りは eueda@hiwaay.net上田悦子