どこで作っているのかと思ってパッケージを読んでみると、お隣のテネシー州のSummertownという小さな町の農場が住所になっている。原材料にはOrganically grown soybeans, well water, calcium sulfate、つまり有機栽培の大豆と井戸の水を使っている。"Since 1973"とあるから1973年創業ということだ。
豆腐は今ではどこでも売るようになったけど、作ってから何日経っているのか分からないようなものや、キッコーマンが出しているレトルトパックの箱の中で固めた絹ごし風の豆腐など、どれも豆腐というものは味も素っ気もないものという通念を助長するようなものばかり。
母と一緒に豆腐を作ったのは、豆腐を使ったことがあるかと聞いたら、昔は豆腐も味噌も全部自家製だったという答えだったので、それじゃ豆腐の作り方を教えてとねだってのことだった。凝固剤のニガリはどうしたのかと聞いたら、昔は塩を俵で買っていたから、その中に溜まる液体を使ったという話しだった。私と一緒に作ったとき、母は凝固剤をどこで手に入れてきたのか、今では思い出すことができない。その時まだあった町の豆腐屋でもらってきたのかもしれない。
あの時の豆腐やおからの味を思い出して、手製の豆腐をと思ったこともあるけど、近くに豆腐屋がないから凝固剤が手に入らない。ニガリはMgClだったよねと思って、科学薬品を扱う会社に聞いてみたら5ポンド入りの袋単位でしか売らないという返事。健康食品店をやっている人に聞いたら、時々手製の豆腐を作るけど、レモン汁で固めるという返事。凝固剤の入手経路は知らないと言う。暫く前に買って使わずに置いてあった「Houseほんとうふ」のパッケージを見たら、凝固剤にグルコノデルタラクトンを使っていると書いてある。豆腐の凝固剤にもいろいろあるらしい。
ともあれ、これで昔ながらの美味しい豆腐を食べることができるようになって、一件落着。大豆の蛋白質が乳癌の予防になるという研究結果も出てきているという話しだから、大いに豆腐を食べることにしよう。豆腐にはカルシウムもたくさん含まれているから骨にも良い。
ホームページへ|日誌インデックスへ|お便りは eueda@hiwaay.net( 上田悦子)