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更年期の健康を支える安全なホルモン補充とサプリ
更年期の健康を支える安全なホルモン補充とサプリ 医者が処方するHRTが危険な真の理由

PremProというホルモン剤を使ったHRT(ホルモン補充療法)の大規模な人体実験が、リスクが利益を上回るという中間報告が出たため、途中で中止されたというニュースが発表されたのは2002年の夏でしたが、この実験では本物の黄体ホルモンではなく擬似黄体ホルモンが使われたことや本物の黄体ホルモンを使えば安全であることは自然療法や健康食品業界の外ではまったく話題になりませんでした。

あなたがこのページを訪れた理由は、更年期障害を何とかしたいけど、HRTは危険だと聞いたので、その代わりになるものを探しているからでしょうか。あるいはHRTを使用してきて、異常に気が付いたからでしょうか。

若い頃に自分の体の中で分泌されていたものを補充するのがなぜそんなに危険なのか理解に苦しむとお考えでしょうか。その考えは間違っていません。HRTで使われているホルモンの多くは人体が分泌するものと同じではないだけでなく、ホルモンバランスを回復するように作られていません。それが問題の元凶なのです。

事の起こりは、女性ホルモン=エストロゲンという偏ったホルモン理解に端を発しています。女性ホルモンにはエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)があります。更年期になるとこの2つのホルモンが卵巣から分泌されなくなり、ホルモンレベルの低下がさまざまな更年期障害の症状となって現れます。このときエストロゲンのみを補充すると、ほてり、発汗、動悸、頭痛などの自律神経経由で発生する不快な症状がなくなり、膣の潤いが戻るため、女性ホルモン=エストロゲンという偏ったホルモン観が定着してしまったのです。さらにその上に、エストロゲンを不老長寿の妙薬としてもてはやすのに都合のいい研究データが出てきたのです。

  • その1つは、エストロゲンを使用しているグループと使用していないグループを比較した調査でした。エストロゲンを使用していないグループでアルサイマーや心臓病、循環器系統の病気が多かったことから、各グループの教育的、社会経済的背景が異なっていたにもかかわらず、エストロゲンはそれらの病気を予防するという解釈が無批判に受け入れらたのです。(最近はエストロゲンの単独使用はそれらの病気のリスクを高めることを示す研究報告が増えています。)
  • もう1つは、更年期の初期にエストロゲンを使用すると、骨量の減少をスローダウンすることができることを示したデータでした。(これは一時的なもので、この効果は数年すると消滅することも明らかでしたが、なぜかそのことに注意を向ける人はあまりいませんでした。)

    しかし、やがてエストロゲンのみを補充すると子宮内膜が肥厚し、それが元で子宮ガンになる人が少なくないということが判明したのです。その解決策として、プロゲステロンを追加して更年期前と同じように月経を誘発して肥厚した子宮内膜を取り除けばよいということになったのです(低量エストロゲンとプロゲステロンを平行して使用すれば子宮内膜が肥厚しないこと、従って出血しないことも知られています)。 このとき本物のプロゲステロンを使うようになっていたら問題はなかったわけですが、なぜかこのとき製薬会社が医者に提供したのは当時既に経口避妊薬として使用されていた擬似黄体ホルモンのProvera(薬名:酢酸メドロキシプロゲステロン)だったのです。

    一説によると、擬似プロゲステロンが開発された理由は、当時の技術では、本物のプロゲステロンを経口薬として飲むと、そのほとんどが途中で消化されてしまい、内膜の肥厚を抑えるのに十分な量のプロゲステロンを補充することができなかったためということです。いずれにしても、Proveraには危険な副作用がたくさんあることが知られていたので、Premarin+ProveraというHRTは子宮ガンを避けるために子宮のある人のみに処方するという「標準」が確立されることとなったのです。(*Premarinは妊娠中の馬の尿から抽出したホルモンで、ヒトのホルモンと同一ではありません)

    Proveraの副作用の1つとして乳ガンの危険性を高めることが知られていましたから、子宮のある女性は、Premarinなどのエストロゲンのみを使って子宮ガンで死ぬか、Premarin+Proveraのようなエストロゲン+擬似プロゲステロンを使って乳ガンで死ぬか、HRTを拒否して更年期障害に苦しみ骨粗しょう症で死ぬかを選択させられる羽目となったのです。このようなジレンマを避けるために子宮摘出を進める医者もいるほどです。もちろん、プロゲステロンなしでエストロゲンを使った場合にはエストロゲン過多(あるいは優勢)という状態になって、子宮ガンばかりでなく、乳ガン、心血管疾患、静脈血栓、脳卒中を始めさまざまな障害のリスクが高くなることが知られていますから、子宮さえ摘出すれば問題が解決するわけではありません。(詳しくはホルモンのバランスを参照)

    問題の真の解決は本物のプロゲステロンを使用すること以外にありえないのです。しかもこの問題は20年以上前にすでに解決されていたのです。ステロイド系ホルモン(生殖ホルモンと副腎皮質ホルモン)は皮膚からよく吸収されます。これに注目して、プロゲステロン入りのスキン・クリームやオイルが20年以上前に開発されていたのです。さらに最近ではマイクロナイズという技術を使って、経口薬として飲んでも「消化」されずに吸収される量を多くできるのです。

    それでは、なぜ医者は危険なエストロゲンのみあるいはエストロゲン+擬似プロゲステロンを処方し続けているのでしょうか。 本当のことは個々の医者に聞いて見なければ分かりませんが、次のような事情が考えられます。

    • 擬似プロゲステロンと天然プロゲステロンの違いを知らないので、何も疑問を持たずに擬似プロゲステロンを使ってきた(副作用や患者の反応を見て、何も疑問を持たなかったのでしょうかと言いたくなりますが)。
    • 天然プロゲステロン・クリームはアメリカでは健康食品として販売されている。つまり医者が取り扱うべき薬とは考えられていないので、医者はその存在すら知らない(実際には、処方薬として処方することもできる。自分で勉強して知っている医者もいますが、それは少数派)。日本では天然プロゲステロン・クリーム製品は販売すらされていないので、本当に勉強している医者でなければ知らないはずです。
    • 天然プロゲステロン・クリームについて聞いたことはあるけど、「標準」的な治療として確立されていないので手を出さない。これは天然プロゲステロン・クリーム製品が大手製薬会社によってではなく、中小の健康食品会社によって製造販売されてきたこととも無縁ではないと思います。
    • 天然プロゲステロン・クリーム製品について聞いたことはあるけど、FDAがその用法を認可していないから使わない。FDAは健康食品の効能書きをいちいち審査して認可することなどしない(つい最近まで効能書きを健康食品のラベルに表示することすら許されていなかった)ので、これは筋の通らない言い訳です。その効果の証明を見たければ、健康な若い女性のホルモン・パターンを見ればいいのです。

      ちなみに、同じ天然プロゲステロン製品でも、製薬会社の製造販売する高量の経口薬(Prometrium 100mg, 200mg)や膣に挿入する座薬(Crinon 45mg, 90mg)、従来からある注射などは処方薬としてFDAに認可されています。ただし、注射は長期継続使用に不向きですし、胃壁から吸収されるようにした経口剤は、量が多い上に消化されずに吸収される量が安定せず肝臓や腎臓、胆嚢へ負担がかかります。また、膣壁から吸収されるようにした座薬は量が多い上にスキンクリームのように使用量を調整できません。黄体ホルモンの補充にはスキンクリームという形態が最も簡便、安価、安全、効果的なのです。

    いわゆる専門家がどれほど無知かはasahi.comに出された保険同人社提供の記事に使われている誤解を招く記述にも見ることができます。

    • 薬名のProgesterone(プロゲステロン)は本物の黄体ホルモンを意味します。人体で生成される天然の黄体ホルモンと同じ物質であることを強調して天然黄体ホルモンまたは天然プロゲステロン(Natural Progesterone)と呼ぶことも多くなっています。一方progestin(プロゲスチン)やprogestogenは広義の「妊娠ホルモン」という意味で擬似プロゲステロン(数種類存在する)も含まれます。問題の人体実験で使用されたPremProはPremarineという結合型エストロゲン(妊娠中の牝馬の尿から抽出した馬のエストロゲンを主体とするホルモンのカクテルをたんぱく質と結合させたもの)とProveraという合成擬似プロゲステロンを組み合わせたものです。ですから、本物のプロゲステロンと擬似プロゲステロンの違いを知っていれば、記事の中で「80年代には、子宮のある女性には、プロゲスチン(黄体ホルモン)との併用療法(HRT)が一般的となった。」や「HRT群(エストロゲンとプロゲステロンの配合剤を毎日服用)」など、あたかも本物の黄体ホルモンが使用されたかのような誤解を招くような記述はしないはずなのです。

    あなたは本物と偽者のホルモンの違いを知らない医者にホルモンの処方を任せることができますか。

  • 通常HRTや避妊ピルで使用されているホルモン剤には人体で分泌されるホルモンとは化学構造が異なり、それゆえに作用も異なる擬似ホルモンが使われているのです。でもそれを知っている医者はほんのわずかしいません(医者のHPに書かれていることから判断する限り)。手軽に利用できる天然プロゲステロン・クリームはアメリカでは医薬部外品であり、大手の製薬会社は従来扱ってこなかったこともあって、医者に擬似プロゲステロンと本物のプロゲステロンとの間に違いはないと思い込ませておいた方が製薬会社にとっては都合がいいのかも知れません。

    ちなみに、The North American Menopause Society(NAMS)という医者の団体は2003年9月に出した声明の中でランダム化した臨床実験で証明されない限り、多分、全てのプロゲステロン系物質は同じ副作用があると仮定すべきであると言っています(下記参照)。これはそのような臨床実験には莫大なお金がかかり、すでに中小のサプリメント会社によって製品化されていて特許も取れない物質にそのようなお金を出す会社も団体もないことを承知の上での声明です。医学、薬学、生理学、疫学の分野で行われてきた多数の天然プロゲステロン研究や天然プロゲステロンを推奨する多数のWebサイトのことは少し調べればすぐに見つかるわけですから、医学は科学ではない(つまり医者は科学的研究の訓練を受けていない)ことを考慮に入れても、このような声明を最新の科学的データに基づいた結論と言ってはばからない背景には他の動機があると疑わざるをえません。

    NAMSの声明の一部抜粋:...the only way to establish definitively the net clinical outcome for any given agent (alone or combination) is through randomized clinical trials. In the absence of clinical trial data from each estrogen and progestogen, the clinical trial results for one agent probably should be generalized to all agents within the same family, especially with regard to adverse effects.

    実は、PremProの実験が途中で中止されたと聞いたとき、これで天然プロゲステロンのことを権威のある団体が推奨するようになると考えていたのです。少なくとも天然プロゲステロンのこれまでの研究がその安全性を示しているので、もっと大掛かりな研究でそれをはっきりさせるのが急務であるといったことが権威ある団体からの声明として発表されると考えていたのですが、天然プロゲステロンの記述を一言も含まない上記の声明を読んだとき、それがいかにナイーブな考えであったかを思い知らされました。そんな声明を出したら、これまで「標準」として行われてきた治療の副作用で病気になった人たちに、それが医者の無知による医原病であったことを認めるのと同じで、損害賠償請求への門を開けることになることを多くの医者が恐れているとしても不思議ではありません。実際ある医者になぜ天然プロゲステロンを使用しないのかとメールで質問したら「貴メールは私の「医療過誤」を指摘されたものと解釈して宜しいですか。」という返事が来てなるほどと納得したしだいです。アメリカでは少なく見積もっても、規定どおり適用した薬の副作用によって毎年106,000人が死亡しているという報告がありますから、医者にとって薬の副作用は特に騒ぎ立てるような問題ではないのかもしれません。

    いずれにしても、実際どういういきさつがあって、大多数の医者が危険極まりない間違ったHRTを頑固に継続しているのかは、当人でなければ分からないことですが、このように間違った迷路に入り込んでしまった医療の進路を正すには、今となっては、消費者が行動を起こすしかありません。

    3ステップで決める安全なホルモン補充

    更年期になると主に卵巣で生成されるプロゲステロンとエストラジオールのレベルがゼロに近くなります。ホルモン補充の目的は、不足しているホルモンを補充してホルモン・バランスを回復し、不快な症状を取り除くとともに、ホルモン関連の健康リスクを取り除くことです。エストロゲンにはエストラジオールのほかに体組織でも生成されるエストロンとエストリオール(エストロンおよびエストラジオールから変換される)がありますが、これらのホルモンは更年期以降も低エストロゲン期のレベルが維持されます。

    ステップ1:天然プロゲステロン(黄体ホルモン)クリーム(更年期障害に対する効果は1か月以内ではっきりします)
    エストロゲンの1つエストロンは体組織で生成されるため、大柄の人、肥満体の人はプロゲステロンの補充のみでホルモン・バランスを回復して更年期障害を克服することができます。これはプロゲステロンの補充によってエストロゲンに対する細胞の感度が高くなるためです。そのため、天然プロゲステロンの補充を始めたら生理が戻る場合もあります。天然プロゲステロンを使用してきた医者の報告ではアメリカ女性の 2/3 が天然プロゲステロンのみで更年期のホルモンバランスを達成できるということです。
    要注意: 体組織で生成される自前のエストロゲンのレベルが高い人は更年期障害の症状をあまり感じないかもしれませんが、プロゲステロン・レベルはゼロに近くなっているため、エストロゲン過多の健康リスクが増加します。従って、プロゲステロンのみが持つ重要な作用を維持するためにも、天然プロゲステロンを補充するのが懸命です。(実際にはプロゲステロン・レベルは35歳前後から低下するため天然プロゲステロン・クリームは前更年期から使用するのが懸命です。詳しくはホルモンのバランスと女性の健康参照)

    ステップ 2:DHEA、植物エストロゲン/ハーブ・サプリメント
    天然プロゲステロン・クリームのみで更年期障害を克服できない場合、DHEA(1日に10~30mg)を追加します。DHEAは副腎皮質から大量に分泌されるホルモンの一種ですが、年齢と共に急激に低下し、閉経後には30歳の頃に比べて60%減となります。DHEAは各種の体組織で必要に応じて男性ホルモンやエストロゲン、さらには鎮静作用を持つアロプレグネノロンなどに変換されます。骨の再生にはエストロゲンよりDHEAの方が有効という研究結果もあります。DHEA自体には乳癌や前立腺癌を抑える作用があることを示す研究もあります。DHEAは更年期に高くなりがちなコーチゾル(ストレスホルモン)を低下させるという重要な作用もあります。副腎皮質の機能も向上します。メタボ障害の原因となるインシュリン抵抗の低減にも役立ちます。最近のイタリアでの研究ではDHEAのみでも更年期障害がかなり改善されるという結果が出ています。ただし、はっきりした効果が出るのに3ヶ月ほどかかります。

    症状が軽ければ植物性エストロゲン/ハーブ・サプリメントを追加することによって対処することもできます。大豆に含まれている植物性エストロゲンはサプリメント製品になっているほか、納豆、味噌、テンペイなどの発酵食品に消化吸収されやすい形で含まれています。ブラックコーホーシュやドンクアイその他のハープも昔から更年期障害の克服に使用されてきました。朝鮮人参なども更年期障害の低減に役立つという報告があります。針、リラクセーション、深呼吸なども症状の軽減に役立つという報告があります。

    要注意:大豆に含まれている植物性ホルモンには甲状腺ホルモンの生成を妨げる作用があるので、過剰な摂取を避け、甲状腺ホルモンの原料となるヨードの摂取に海草を食べること。

    ステップ 3:エストラジオール・パッチ
    小柄な人や痩せている人はエストラジオールの欠乏を補うのに十分なエストロンを体組織で生成できないため、天然プロゲステロン+植物性エストロゲン/ハーブ・サプリメントだけでは間に合わず、エストラジオールを補給する必要があるかも知れません。エストラジオールは皮膚から補給する場合、経口薬の10分の1ですむため、天然プロゲステロンと組み合わせて使えば安全です。(フランスではこの形態のホルモン補充が一般的で、その安全性を示す調査結果が報告されています。Combined hormone replacement therapy and risk of breast cancer in a French cohort study of 3175 women, Climacteric Volume: 5 Number: 4 Page: 332 - 340) 低量のエストラジオール・パッチ(1日0.025mg~0.05mgで十分です)と天然プロゲステロンを平行して使用すれば子宮ガンの原因となる子宮内膜の肥厚も起きないことが知られています。また、エストロゲンの補充で増加する血栓のリスクは黄体ホルモン補充と併用しても、経口エストロゲンでは血栓リスクが上がるのに対し、経皮ではリスクの上昇が見られないという結果が報告されています。

    要注意:現在エストロゲン/プロゲステロン陽性のガンの治療を受けている場合、エストラジオール・パッチの代わりにガンに対する増殖作用を持たないエストリオールを天然プロゲステロン・クリームと併用することができます。ただし、エストリオールは妊娠中に高くなるホルモンなので、体が練れるまでにしばらくかかる場合があります。※プロゲステロン陽性ということはプロゲステロン受容体があるということ、つまりプロゲステロンに反応するということで、プロゲステロンが癌の成長を促すという意味ではありません。

    要注意:現在ホルモン補充を使用している場合は、エストロゲンの量が多すぎるようなら、プロゲステロン補充開始時にそれを半減できます。擬似プロゲステロンは直ちに使用を中止します。その後2~3ヶ月単位でエストロゲンの量を調整して様子を見ながら必要な量を決めます。急にエストロゲンの量を減らすと禁断症状が出、ストレスホルモンの増加によって骨量が低下する可能性があります。

    要注意: エストロゲンのみの補充で更年期障害の不快な症状が消えるため、子宮を摘出してしまった人にはエストラジオールなどのエストロゲンのみを処方するのが標準になっていますが、これはとんでもない間違いです。エストロゲン過多の弊害を避けるために必ず天然プロゲステロンと併用する必要があります。エストロゲン単独補充の危険性は例のアメリカでの実験でも、フランスで行われた大規模の調査でもはっきり出ています。フランスでの調査ではエストロゲン単独とエストロゲン+擬似黄体ホルモンの組み合わせが乳癌のリスクを高くするのに対しエストロゲン+本物の黄体ホルモンの組み合わせが安全であることを明らかにしています。医者の処方どおりにエストロゲンのみを使用して健康を損ねた私の体験はホルモンのバランスと女性の健康に書きましたので参考にしてください。

    私の使っている天然プロゲステロン・クリーム製品やサプリメント製品の入手方法の説明はこちらにあります。

    医原病・薬害の被害者にならないために知っておくべき事柄

    1. 擬似プロゲステロンをいくら補給しても体内の黄体ホルモンレベルは上がりません。逆に擬似プロゲステロンは体内の黄体ホルモンの作用を妨害します。天然プロゲステロンを補給すると体内の黄体ホルモン・レベルが上昇します。スキンクリームで補充した場合、2~3時間で赤血球と唾液に活性型黄体ホルモンの上昇を検出することができます。その90%は15時間以内に使用処理されるため、15時間以上経つと唾液の黄体ホルモンレベルが元に戻ります。血清中の黄体ホルモンは、SHBGと呼ばれるタンパク質と結合した不活性な黄体ホルモンがほとんど(95%~98%)で、活性型の黄体ホルモンの比率は極わずかです。スキンクリームや膣座薬などの経皮投与では極少量の活性型黄体ホルモンを使用するため、不活性の結合型ホルモンのみを検出するホルモン検査では検出できません。活性型の遊離ホルモンを検出する検査でも精度が低ければ検出できません。しばらく経つと結合型の黄体ホルモン・レベルが補充を反映して増加しますが、標準の使用量(1日20mg~40mg)は妊娠可能なレベルを再現することが目的ではないので、閉経前のレベルに達することはありません。

    2. 医学の教科書では従来からホルモンを飲み薬として使用するとほとんどが「消化」されると教えているので、必要な量の何倍も使用しないと効果がないと考える医者が多いようです。同様に経皮投与では血液検査で検出できる量が少ないので、やはり大量に使用しないと効果がないと考える医者や研究者が後を絶ちません。実際に使って見ればすぐにわかることですが、ホルモンの代謝には個人差があるとはいえ、黄体ホルモンを経皮で1日60mg以上投与すると、普通はその鎮静作用で、体がだるくなったり消化機能がスローダウンしたりします。それは飲み薬にした場合でも同じで、処方薬の黄体ホルモンでは100mgが最も少量の飲み薬になっていますが、それを試した人の多くは体がだるくなったり消化機能がスローダウンしたりで元気が出なくなるので、使用をあきらめてしまいます。鎮静作用は黄体ホルモンの重要な作用の一つですが、元気が出なくなるほど大量に使っては意味がありません。

      過剰投与はエストロゲンの場合も同じで、更年期障害には通常1日0.05mgの張り薬で十分ですが、臨床実験の中には、1日1mgさらには2mgの経皮エストロゲンを使ったというのがありひょっとしてタイプミスではと考えてしまうこともあります。それでは40mgの黄体ホルモン補充で内膜の増殖と出血を抑えられないのも無理ありません。

      更年期障害でのホルモン補充では多すぎても少なすぎても不快な精神的症状が出ることはすでに1982年に行われたフランスの臨床実験で確認されていたことです。血液検査で検出される吸収率との関係を見ると、エストロゲンは足りないとウツ状になって元気が出ないのに対し、多すぎるとイライラや攻撃性が出ます。適量の黄体ホルモンはエストロゲンが多すぎてイライラや攻撃性が出た場合、それを解消しますが、多すぎると眠くなったり、めまいがしたりすると報告されています。吸収率は個人差が大きいので注意が必要とも報告されています。

      ちなみに、HRTで頻繁に使用されてきた擬似プロゲステロンのProvera(薬名:酢酸メドロキシプロゲステロン)はPMS様の症状を誘発することが知られています。多くの医者は酢酸メドロキシプロゲステロンと本物のプロゲステロンに差はないと考えているので、その使用によってプロゲステロン(黄体ホルモン)はPMSの原因であるという思い込みをさらに固めることになります。

    3. 天然プロゲステロン(黄体ホルモン)は誰でも簡単に入手できます
      天然プロゲステロンはアメリカでは昔から健康食品会社によってスキン・クリームという形で製品化され利用されてきましたが、これには副作用らしい副作用がなく、安全性が高いので、薬品や健康食品を監督するFDAはこれを指定医薬品として扱う理由を見出せないのです。(日本でも個人輸入で入手できます)。アメリカでは医者に頼んで処方箋を書いてもらうと、他のホルモン同様に薬局で調合してもらうこともできます。※この場合カプセルに入れてもらうこともできますが、カプセルでは使用量を調節できませんので、標準的な濃度と使用量が確立されていて、使用量の調節が可能なクリームを使うのが最も確実です。

    4. 乳ガン、心血管疾患、静脈血栓、脳卒中などはエストロゲンの副作用です。HRTや避妊ピルに使用されている擬似プロゲステロンは体内で生成される本物のプロゲステロンの作用をブロックするためエストロゲンの副作用を増幅する作用を持っていますが、本物のプロゲステロンはエストロゲンの副作用を抑えます。これはどういうことかというと、本物のプロゲステロンと組み合わせて使えばエストロゲンも安全だということです。ほてり、発汗、動悸、頭痛、膣の乾きなどの不快な更年期障害の症状に対処するためにエストロゲンが必要な場合、びくびくして使う必要はないということです。逆に閉経前でもホルモンバランスの崩れや避妊ピルの長期使用は大変危険だということでもあります。

    5. 人体内で生成される主なエストロゲンにはエストラジオール、エストロン、エストリオールの3つがあります。エストロンは体組織で生成され、エストリオールはエストロンから変換されるため、両者は更年期以降も低エストロゲン期(前卵胞期)と同じレベルが維持されますが、主に卵巣で生成されるエストラジオールとプロゲステロン(黄体ホルモン)はゼロに近くなります。つまり、全体としてエストロゲンに比べてプロゲステロンが不足するため、エストロゲンのみを補充したときと同じように乳ガン、心血管疾患、静脈血栓、脳卒中などのリスクが高くなります。これらのリスクは、実際にはエストロゲンのレベルが変化せず黄体ホルモン(プロゲステロン)のレベルのみが低下する前更年期に上昇するので、天然プロゲステロン補充は閉経の10ないし15年前から始める必要があります。避妊ピルその他のホルモン剤に使用されている擬似プロゲステロンはこのリスクをいっそう高めるだけですから、役に立ちません。

    6. 体格の良い人、肥満体の人は更年期以降も体組織で十分な量のエストロンが生成されるので、天然プロゲステロン補充のみで更年期以降のホルモンバランスを維持することができます。

    7. エストロゲンは重要なホルモンです。エストロゲンはエストロゲン過多にならないように、最小限必要な量(更年期用にはエストラジオール・パッチなら1日0.03mg前後で十分とされています)を適量の天然プロゲステロン(クリームからの場合1日20~40mg)と組み合わせて使えば安全なのです。経口エストラジオールの場合パッチの10倍の量を服用することになり、肝臓や腎臓への負担が増すとともに、胆液の粘性が高くなって胆石その他の胆嚢疾患の危険が高くなります。エストラジオールの他にもさまざまの形態のエストロゲンが販売されていますが、低量エストラジオール・パッチが最も安全で効果的なエストロゲン補充方法だと思います。

      本物のプロゲステロンとエストロゲンの組み合わせが危険だとすれば、乳ガン、心血管疾患、静脈血栓、脳卒中などは、ホルモンレベルの高い若い女性に多く見られるはずなのです。もちろんそんな現象は見られません。

      フランスではエストラジオール・パッチ+天然プロゲステロンが一般的なHRTになっているということですが、最近の調査では、アメリカでの標準HRT(PremPro)を使った臨床実験の結果とは異なり、乳癌のようなリスクの上昇はフランスのHRT使用者には見られないと報告されています。(Combined hormone replacement therapy and risk of breast cancer in a French cohort study of 3175 women, Climacteric Volume: 5 Number: 4 Page: 332 - 340)

    8. 子宮ガンの主な原因は大量のエストロゲンをプロゲステロンでバランスを取らずに使用することです(環境ホルモン汚染も同様の作用を持っています)。エストロゲンと天然プロゲステロンを適量併用すれば、子宮内膜の肥厚はおきません。従って、子宮ガンのリスクもありません。

    9. 更年期の女性に必要なエストロゲンの代わりになる植物性ホルモンは大豆(納豆が最も消化吸収されやすい)やビールのホップなどから手軽に取ることができます。サプリメント製品になっているものもあります。植物性エストロゲンは発ガン性が低いといわれていますが、取りすぎるとビール太りのようにエストロゲン過多の弊害が出ますから、とり過ぎないように注意し、天然プロゲステロンと併用してバランスを取る必要があります。

    10. プロゲステロンの代わりになる植物性ホルモンは知られていません。メキシコ・ワイルドヤム根や大豆はジオスゲニンというプロゲステロンに近い化学構造を持つ成分を含んでいます。プロゲステロンその他のステロイド系ホルモンは天然のものも擬似のものもこのジオスゲニンを変換して作ります。ジオスゲニンが体の中でプロゲステロンに変換されるという証拠は今のところなく、プロゲステロンの補充にはそれを変換して合成した天然プロゲステロンを使うのが最も効果的です。

    11. ほてり、発汗、動悸、頭痛などの自律神経経由で発生する不快な更年期障害の症状には昔からブラック・コーホーシュを始め各種の生薬が使用されてきました。更年期障害の症状が軽い場合にはそれらの生薬のみでも十分効果があるようです。ただし、プロゲステロンの代わりになる植物性ホルモンは知られていませんから天然プロゲステロンでバランスを取る必要があります。

    12. 本物のプロゲステロン(黄体ホルモン)はガンを予防し、更年期障害や骨粗しょう症を改善します。

    13. プロゲステロンは造骨細胞に働きかけて造骨を促進します。骨は常に再生されています。再生過程は、溶骨細胞が古くなった骨を溶かして吸収し、造骨細胞が新しい骨組織を造ることによって維持されます。骨の空洞化は、溶骨の量が造骨の量より多くなると発生します。

    14. エストロゲンは溶骨細胞の働きを抑制して骨細胞の減少をスローダウンするだけで、既に失われた骨細胞を増やすことはできません。古くなった骨細胞が溶解されずにいつまでも残っていると、骨量は増えても、長期的には骨がもろくなる可能性があります。エストロゲンの骨粗しょう症に対する効果が数年で消失するのも、そのせいです。fosamaxその他の薬も骨細胞の減少をスローダウンするだけですから長期の解決にはなりません。

    15. 造骨細胞の活動が活発でなければ、いくらカルシウムを摂取しても骨量を維持できません。骨の空洞化には、運動、ホルモン、栄養、ストレスの4つが絡んでいます。寝たきりになると骨量が急激に減少します。骨量の低下は黄体ホルモンが不足してくる35歳ごろから顕著になってきます。ストレスホルモン(コーチゾルなど)はミネラル代謝に影響して、骨量を低下させます。最近の知見では更年期障害に伴う急激な骨量の低下はストレスホルモンの恒常的な上昇に関係していると考えられるようになって来ました。健康管理にはこの4つの要因すべてを含めるのが賢明です。

    16. いかなる年齢や条件下でも、擬似ホルモンでできている避妊ピルの継続使用は自殺行為です。

    この情報は、生理学の研究で既に知られていた天然プロゲステロンの効用を実際に骨粗鬆症の治療に適用してきたハーバード大学出身のジョン・リーという町医者が、1990年にその治療効果を論文(Lee, John R., M.D., "Osteoporosis Reversal: The Role of Progesterone," International Clinical Nutrition Review (1990), 10:384-391.)に発表し、その後もさまざまな形で本物のプロゲステロンが女性の健康でいかに重要な役割を担っているかという情報を公にしてきたにもかかわらず、製薬会社も大多数の医者も研究機関も無視してきたか、あるいは知らずにいるというのが現状のようです。

    ※擬似ホルモン
    避妊ピルやホルモン補充、さらには、いわゆるステロイド(コーチゾン)として使用されるホルモンの主流は天然ホルモンの構造をわずかに変更した物質です。私はこれらのホルモンを人工あるいは合成ホルモンではなく擬似ホルモンと呼んでいます。人造、人工、合成などという言葉は人手を加えて合成したという意味で使われますが、天然ホルモンの多くも、擬似ホルモンと同様に植物性物質を変換して製造するので、その中に入ってしまうからです。

    女性特有の病気、体調の崩れ、成人病、更年期障害、老化現象の多くにホルモンのバランスが関係しています。詳しくはホルモンのバランスと女性の健康 ページをご覧ください。

    参考リンク

    参考文献

    • Hormone Balance; a Matter of Life and Health by Kristine B. Klitzke, R.N. 2002, Sound Concepts, Inc.ホルモン関係の最近の研究がたくさん参照されている。
    • What Your Doctor May Not Tell You About Brest Cancer, by John R. Lee, M.D. David Zava, Ph.D, and Virginia Hopkins, 2001 Cahners Business Information.ホルモンと乳ガン関係の最近の研究がたくさん参照されている。
    • What Your Doctor May Not Tell You About PreMenopause, by John R. Lee, M.D. Jesse Hanley, M.D., and Virginia Hopkins, 1999, Warner Books.「続・医者も知らないホルモン・バランス」今村・伊藤共訳
    • What Your Doctor May Not Tell You About Menopause, by John R. Lee, M.D. with Virginia Hopkins, 1996, Warner Books.「医者も知らないホルモン・バランス」今村 光一 (翻訳)
    • Progesterone in Orthomolecular Medicine by Raymond Peat, PhD, available at Dr. Ray Peat's Web site.
    • B de Lignieres, M Vincens Differential effects of exogenous oestradiol and progesterone on mood in post-menopausal women: individual dose/effect relationship. Maturitas. 1982 Apr ;4 (1):67-72
    • Fournier et al, Unequal risks for breast cancer associated with different hormone replacement therapies: results from the E3N cohort study Breast Cancer Res Treat (2008) 107:103-111

     


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